姫路市内所在の弊社は、日頃より姫路城を誇りに・大切に思い、平成の大改修により、白く美しくなったことを心から嬉しく思う一員です。
それとは別に、先日、日本屋根経済新聞に「投稿」として、掲載された記事に、考えを同じくするところがございますので、その検証内容を、ここで改めてご紹介したいと思います。
〜 以下、日本屋根経済新聞 より引用〜
白鷺城の漆喰(シックイ)に疑問、瓦職人の目線で検証
最初に、
左官や屋根工事に関わった方々を問題に
するものでは決してないことを
お断りしておきます。
外部の瓦職人の立ち位置から改めて疑問を
提起し、問題点の解明に努めて
意見を発信します。
前回からの続き ・・・
投稿記事 の要点
● その後の姫路城で、なぜシックイは使われ続けたか。
考えられること
とりわけ特殊な”唐破風造り”と、”千鳥破風”が多い複雑な屋根形状は、デザイン性に優れているものの、雨漏りしやすい宿命の屋根形状と言える。
築城当時は、(地域性にもよるが)左官と瓦葺きの分業が未分化だったことの影響があるかもしれない。
● 平成の大修理でも様々な角度からの総括があった はず
「昭和の大修理」では、コンクリート基礎工事が施されており、屋根も、悪しき「伝統」に縛られる必要はなかった。
現に、今回の「平成の大修理」でも、屋根工事で、”土葺き”から”縦桟”を付加した工法へ変更されている(工程写真より判断)。
姫路城が、世界文化遺産登録として評価されたのは、、木造建築物としてであって、屋根シックイではない。
400年前築城の木造建築守る為の美しい屋根で、もし瓦葺き技術の伝統を重んじるなら、築城当初のからの広報を検討し、推定するべきであり、現状の「伝統的」な補強的シックイ工事に縛られ過ぎているのではないか。
● シックイの白さ は数年で消えてしまう
姫路城が白鷺城と呼ばれるのは、”サギ”の鳥の容姿に由来しているからであり、もし、400年前に、権力の象徴として、城を”白色”で強調するというなら、数年でカビが発生し、雨漏りのリスクさえあるシックイを屋根に塗る必然性はない。
真実にフタをすることなく、仕事への伝承を追及することが職人世界の信義かと思います。
その思いは、利害を超え共有できるものだと確信しています。
反感や誤解を招く言葉はお許し願うほかありません。
ですが、 屋根は、左官技術を真に生かす場ではないのです。
大事なことは、今回の未来への教訓として将来へ伝言していくことであり、
それは、職人としてなによりの財産です。
(日本屋根経済新聞 第1472号 [2015.7.08] より)
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